代表インタビュー

創業時の思いと現在の変化、そして描く未来

創業から10年経過しましたが、この10年良いこと、そうでなかったことなど色々なことがあったかと思います。当時の思いや考えは現在どのように変化したのでしょうか。

私は建設コンサルタント会社に13年、コンクリートメーカーで4年の職歴で独立したのですが、創業当時は自分自身に対してプレッシャーというか負荷をかけていこうと思っていまして。一人で起業して、ただひたすらガムシャラにやっていたように思います。当時は資金繰りが予想以上に厳しく、設計や営業という本来の仕事より会社経営というものの大変さを痛感しました。

一人でやってらっしゃるときに随分怖い思いをしたとか?

夜には周りが真っ暗になり、隙間風が入るオフィスで一人で作業していると、見えてはいけない、聞こえてはいけないものが。。。

笑えないですよね。今はオフィスに沢山のスタッフがいらっしゃいますし、移転もされてますから大丈夫ですね。

そうですね。今の金沢支店は心機一転というか、土地を購入してオフィスを建てました。常時10数名は設計などの業務でいてくれるので、出先から帰ってくるととても安心しますね。

心強いですね。一人で創業されてからスタッフ数はどのように増えていったのでしょうか?

一人で創業して、とにかくガムシャラに働きました。特に質、スピード、価格といった要素だけではなく、「相手の気持ちを理解すること」に注力してアフターフォローを大切に仕事をしていまして、そんな中で知り合った人など、共感してくれる人が増えていったという感じです。ただ経営者としては未熟で、同志と共に働くことはできても、マネジメントという側面では自分の経営手腕の無さを感じるようになり、もどかしさもあって会社として停滞期を迎えました。

なるほど。そこでどんな気付きを得たのですか?

まず、「私は、社員のことを考えて経営しているのだろうか?」と考えるようになりました。給与やインセンティブという経済的なことももちろん大事なのですが、「やりがい」や「存在意義」を感じてもらうことの方が重要だということに気付いたのです。そのために自分自身も変わらなければいけないですし、既存社員の意識も変えなければいけない、色々なことを一新する必要がありました。2015年に社名をSAQLASに変更したのもその一環でした。

痛みを伴いつつ、英断されたわけですね。

私にとって、社員は一番のパートナーです。大切にしたいのは、まず社員が気持ちよく働けること。社長と社員との連携がとれ、明るく風通りがよい会社を創りたかった。そのためには「相手の気持ちを理解することができる人材」を育てなければなりません。そんな風に自分自身が変わってから、同じ思いを持った人材が集まるようになりました。そして自分の幸せは社員が育つ、喜ぶことが自分の喜びになっていきました。これが「変化」の答えかなと思います。

プレーヤーからマネジャーへの変化とも言えますね。そんな現在の同志にはどのような未来を描いていますか?

人の寿命と違って会社の寿命は人次第で、永遠に続き飛躍させることができるのではないかと思っています。それを実現するために自身のポジションに固執したり肩書きに拘らずに、いち従業員として人材育成に注力し、精進していきたい。アツすぎるとか熱血漢だとか言われますが、社員には肉体労働から頭脳労働へステップアップしていってほしいと願っています。

SAQLASで働くことで実感できる成長

同志が集まるようになり、気持ちや思想は近しいと思いますが、スキル面で成長を感じられる仕組みはどのようなものでしょうか?

あまりロジカル/システマチックな仕組みを持っているわけではありませんが、上司から教わり、自分で考える。上司の横で話を聞き、体験を積み、一人で実践するサイクルを作っています。これによって自立できるようになるため、振り返って見て自分の成長を感じてもらえる。そして主体性を持つことで待遇が向上する評価制度・仕組みを採用しています。

おっしゃる通り、体験・育成型のスタイルは簡単なようで難しい、だからこそ効果的なモデルとも言えますね。

やはり共通認識や相互理解という基本方針があってこそのモデルだと思います。そこにリーダーシップがあれば、自然に主体性が生まれますし、主体性があれば体験・育成型のスタイルはとても効果的です。

SDGsに向けた取り組み、貢献できること

SAQLASとして注力していることをよく理解できました。最後にトレンドワードですが、「SDGs」についてお聞かせください。

建設コンサルタントや土木設計という言葉は、普通に生活しているうえではあまり聞き慣れない用語だと思います。一見地味で裏方のような存在なのですが、住み続けられる町づくりのためのライフラインに携わる仕事なんです。日本は比較的平和で安全な国なので、あまり意識しないと思いますが、安全な水を供給するなど、自然災害に備えたライフラインを作っていくことは、この先も永続的に必要な仕事で、ある意味エッセンシャルワーカーと言っても過言ではありません。石川県を中心に北陸地域に根差して、企業活動を継続していくことが、必然的にSDGsに貢献していくものだと思っています。